R308 東区間(矢田丘陵越え等)

奈良県北部で「酷道」といえば国道308号線であるのは、その筋の方々に有名だそうだが、よくとりあげられるのは大阪府・奈良県境の暗峠(くらがりとうげ)周辺の急勾配である。

だが、実は暗峠と同じくらいの急勾配があり、さらに狭隘で自動車の離合困難区間が続くのがこの矢田丘陵を越える区間である。ここでは、西(南生駒駅前)から東(尼ヶ辻駅)方向へ追ってみる。

地図には特にことわりがない限り MapFan V (1999年ごろの地図) を使用しているが、造成や第二阪奈建設により各所で道が変更になっているので、適宜 Super Mapple (2002年の地図)などで補っている。

(1) 近鉄南生駒駅すぐ南

写真1

右に見えるは竜田川。駅を出ると竜田川を渡る橋が見えるが、奈良方向へ向かうには川を渡らず、矢印の先にある踏切を渡って坂を上って行く。ただし、踏切は大型・大特通禁路だったと思う。R308 には関係がないが、おにぎり(国道標識)の上にある「平群・王寺」の案内標識は、写真に写っていない手前の橋を指しているものと思われる。ちらっと写っている橋は仮設橋である。


(2) 大瀬中学校付近

地図1

都市計画道路と交わり、一部区間重複しているのがこの付近。

左は古い地図だが、現在は大瀬中学の東に「小瀬健康福祉ゾーン」という、老人保養施設などが整備され、路線バスも東生駒駅から乗り入れるようになっている。


地図2

こちらは2002年6月現在の地図(SuperMapple V3)。中学校の東側が造成によって道路が変わっているのがお分かり頂けると思う。実際に役所で処理されているのかどうかは分からないが、変電所から東にのびる道路にはこんな標識もあった。

写真3
ところで、この都市計画道路にはR308を示す標識は一切ない。下の写真は北を向いた状態で、右が都市計画道路(すぐ先が第2阪奈の小瀬ランプ)、左が南生駒駅方向だが、これではどこが国道だか分からない。
写真2

(3) 小瀬健康福祉ゾーン付近 (酷道区間入り口)

写真4

都市計画道路からはジャブのような坂を上って、小瀬健康福祉ゾーンの入り口を過ぎて施設を回りこむといよいよ道路改修された区間が終わる。

ふりかえると、第2阪奈道路と暗峠が見える。

写真5

写真左手の、山なみが低くなったところへのびる道路がまさに R308 暗峠への道である。

(4) 酷道第1セクション (小瀬−子供の森分岐)

このセクションだけで上りと下りがそれぞれ1回ある。小瀬から入ると、最初は両側をフェンスに囲まれた、案外見通しの悪い道をゆく。離合困難なので要注意。それがすぎると暗峠クラスの急な上り勾配になる。逆方向に進む際にはかなり怖い下り急勾配になる。しかも見通しが悪く距離も結構ある。対向車がこないことを祈ってから勾配区間にかかりたくなる。

写真6

上の写真は逆方向の下りを望んでみる。デジカメなので広角ぎみ(実際の物より広く見える)ことを念頭に置いてみていただきたい。

写真7

サミット付近。民家の軒先には梅の花がさいている。春や秋はハイカーの姿も多いので、車・バイクで行く際はスピードを落して通行したい。この先で奈良盆地が眺められる。

(5) 酷道第2セクション (子供の森分岐−追分)

写真8

坂を下り切ったところに、警察犬の訓練所があり三叉路になる。右にとれば子供の森という自然公園がある。左がR308である。子供の森には水洗ではないが公衆トイレと手洗い場がある。さらにその先、矢田寺ふもとの大和郡山市運動公園方向へ抜ける道もある。ただし、普通乗用車では厳しいかもしれない。軽の4WDターボ車だとかだと踏破可能だろう。一応は舗装されているのだが、暗峠クラスの急勾配の上に、側溝が深くて落してしまうと自力脱出は困難だ。

さて R308 をすすむとしばらく勾配もほどほどで、道幅も充分にある区間をいく。

写真9

原付で走行しながら前を行く車を撮影する余裕もある。だが、人家が見えて来るととたんに道幅は狭くなる。人間と車でも離合困難な狭さで急な下り坂を下ると、いきなり大きな十字路にであう。

写真10

写真は大阪方向を向いて撮影しているが、街道の脇本陣跡とのことである。坂道を下って来て右手に行くと追分梅林がある。R308 からは外れるがおまけということで写真を1枚載せておく。奥には大和盆地が一望できる。

写真11

(6) 酷道第3セクション (追分−砂茶屋)

本線に戻ろう。この先第2阪奈道路の北側に出るのだが、第二阪奈道路建設の際に山を1つ切り通しにした関係で昔とは道路が変わっている区間がある。

地図3

現在、地図でのR308は途中で左に分岐し、高架橋で第二阪奈を通り越しているが、確か昔は黒線で書いたルートだったと思う。このルートも車両も含めて通行可能だが、第二阪奈をガードでくぐっているため、ガードの北側はものすごい急勾配になっている。

写真13
上は第二阪奈南側分岐。坂を下って来るとこの分岐がブラインドになっていて、車やバイクでは見落としやすいので要注意。

写真12
この写真は第二阪奈北側分岐を大阪方面に向いて撮影。左手がもともとのルートのはずだが、ものすごい急勾配。おそらくゆるやかな勾配だったはずだが、第二阪奈道路が通っている部分を切り崩したのだろう。

写真14

さらに下りこむとおにぎりの向こうに若草山が見える。第2阪奈の脇に赤い屋根の建物が見えるのはガソリンスタンドで、r7 との交差点になる。ここから先も急勾配で離合困難区間が続く。勾配が終わると同時に、センターラインはないものの見通しのよい平らな道路に変わり、r7 との交差点が砂茶屋である。

(7) 狭隘国道区間(砂茶屋−尼ヶ辻駅)

砂茶屋から東、春日大社一の鳥居まで(R308としてはR24と交差する三条大路1丁目まで)は自動車も普通に通行可能な区間である。ただし、砂茶屋から東坂までと、尼ヶ辻駅付近は大型大特通禁路になっている。ところが、路線バス(9mクラスの大型短尺または中型車)は走るのである。離合にはくれぐれも注意したい。

写真15 写真は砂茶屋交差点を大阪方向を見て撮影したもの。直進のR308には主要な街などは書かれていない。それはそうだ。ここに「生駒」とか「第二阪奈小瀬インター」とか書いて知らない車が迷いこんでは大変である。第二阪奈を大阪方面に行くのに、すぐ近くの中町インターから走ると800円、その先の壱分から走ると600円だが、もし私が狭隘路の運転に熟達していたとしても、200円のためにこんな道を走りたいとは思わない。

写真左端に見にくい標識がうつっているが、r7 の富雄川寄りに北行き一方通行の旧道がある。R308はこの旧道交差点(下の地図で「砂茶屋」と誤記されている)から、実際の砂茶屋交差点までは時間制限付きだが東行一方通行なのだ。そのため、規制時間帯は旧道へ迂回せよという意味である。
地図4

さて、写真にはセンターラインが写っているが、まともなのは次の信号交差点まで。そこから先はまた狭隘路になる。とはいっても、市道が交差する東坂交差点までは並の狭さ。問題はこの東坂交差点である。

写真16

これは西を向いて(大阪方面を見て)撮影している。交差する道路は市道なのだが、点滅灯火は国道側が赤で一時停止しなければならない(写真では暗さの関係で黄色に見えるが、実際には赤点滅である)。実は一時停止してしまうと他の車が通れないので、信号がつけられないという困った交差点だ。市道を行くのは街でよくみかける普通乗用のミニバンだから、いかに交差点の間口が狭いか分かっていただけると思う。

写真17

これは市道の北側から南を向いた写真。この市道は12mクラスの大型バスが朝などは3分間隔で行き交うという道路だ。さらに、この北側から国道へ左折(当然逆もある)するバスが1時間に1本程度ある。いくら左折する路線は小さい(9m)バスとはいえ、道路右端いっぱいまで車体を振ってからでないと左折できない。さすがに地元の車は後続していても突っ込もうとする人はいないが、原付・二輪などで無茶をしないようにしたい。なお、市道もこの交差点前後は急勾配であり、交通整理が行われていない見通しの悪い交差点なので、進入時は道路交通法による徐行が必要。しかし、一般の大型大特でも左折可能というのはちょっと問題ありだよなぁ。路線バス限定にしておくべきだと思う。


写真18

国道の話に戻ろう。さっきの狭い交差点を東に進むと、すぐに左手に池が見える。しかし油断してはいけない。ここが見通しの悪い離合困難区間なのだ。写真は脇道から国道を眺めているので分かりにくいが、実際には右への角度の浅いブラインドコーナーで、角度が浅いゆえにカーブミラーが有効に使えない。しかもその途中にバス停がある。バス停だけに待避スペースにもなっているのでここを有効に活用したい。特に西に向かう際には離合する車が目の前にいなくても待避スペースにつっこみ、右側のミラーで東坂交差点側を確認するとよい。

写真19

このさき、第2阪奈の側道が合流する信号交差点までは狭い。昼間はバイクや自転車、夜間は歩行者(東坂交差点から東へ歩いている人が多い。歩行者は道の両側を歩いていることがある)に注意したい。この第2阪奈側道交差点はちょっと問題があるので、別のコーナーで文句をたれることにする。

第2阪奈をくぐるとちょっと見通しのいい直線区間に出るが、その先にまた「国道」とは思えない分岐がある。

写真20

電気屋さんの影に三叉路がある。左の、今RV車が下りて来た道が国道で、右は住宅地の中に入りこんでしまう。この写真は分かりやすいように道路の右端から撮影しているのだが、実際にはこの左へ進む本線がものすごく見えにくい。従って、道路左端にある標識(これも最近取り付けられた。前までこんなのはなかった。やっぱり迷った人がいるのだろう)も見えにくい。夜間ならなおのことである(夜間帰宅する車は右に下りていくことも多いし、よけい混乱しがち)。今この写真を取っている部分にバス停があり、奈良方面行きのバスは電気屋さんの前にとまる。バスの乗降や車の離合待ちのために止まっている時には絶対に無理に前へ出ないように。住宅地から出て来る車と出会い頭にぶつかりそうになる現場を何度も見ているので。そう、酷道はこの先またも離合困難区間が待っているのだ。

写真21

これは坂を登りきったところから大阪方向を振り返ったところ。ワンボックスカーが狭隘区間手前で待っていたので、RV車とスムーズに離合できたシーン。手前には左に分かれる交差点があり、前の車のお尻ばかりくっついて走っていると、脇道からの車の邪魔をしたり、前の車が離合できず後退しようとしたとき困ることになる。

写真22

この写真を撮っている場所は楽に離合できるが、その先約500mも離合困難だ。見通しが悪い上に三叉路があり、脇道からタイミング悪く割り込んで来る車がいると大混乱する(実際脇道から一時停止なしに突っ込んできてクラクションを鳴らされるマナーの悪い車もいる。地元車のマナーが悪いというのが一番具合が悪い)、

地図05

狭い区間の反対側にはバス停がある。

写真23

付近には小学校があり、横断歩道もある。写真のバスは乗降中だが、バスが左合図を消して停止している時は離合待ちなので、追い越そうとして対向車を止めてしまい大顰蹙などということのないように。

さて、ここまでくると右手に県立奈良病院がみえ、ゆるやかなS字をすぎるとあとはほぼ春日大社へ一直線になる。平城京の条里制に沿った「三条大路」の跡ということになる。ここから道幅は少し広くなる。しかし交通量が多くなるので歩行者や原付などへの注意は必要。

いよいよ最後の狭隘区間、尼ヶ辻駅前が近づいて来る。ここはいままでの離合困難区間とは違い、駅前ということで歩行者や自転車がかなり多い。しかもそれらの多くは交通ルールなんておかまいなし。自転車(ひどいのになると原付も)の右側通行や、歩行者の突然横断なんて日常茶飯事だ。空いているように見えるときこそ用心の徐行をお薦めする。

写真24

このあたりから狭くなっていく(実は駅前が一番狭いというひどい道路なのだ)。バスがいるときは本屋の先で離合待ちする。バイク・原付は構わず右から追い抜く人が多いが、四輪は無理に突っ込まないように。なお、尼ヶ辻駅から病院までのマイクロバスが頻発しているせいで、バスの通過本数はかなり多い。

写真25

これは、尼ヶ辻駅の西側から大阪方面を見たところ。マイクロバスは左手の駅前広場(これでも広くなったのだ)で転回するが、東坂方面のバスは右に見えている靴屋さんの前で乗降を扱う。当然後続の車は踏切手前で待たなければならない。朝ラッシュ時から宵のうちまでガードマンが交通整理をしている。

駅から300mほど狭い区間を抜ければ一気に道幅が広くなる(一瞬だが)。三条大路5丁目交差点からは、普通の片側1車線道路になる。

問題は奈良方面から西へ進むときにこの酷道が見つけにくいのだ。

写真26

これは三条大路5丁目交差点からちょっと西へ進んだ地点。右へ行く道は阪奈道路(r1)と合流する。左にまっすぐだが狭い道がのびているが、これが酷道なのだ。木の影に申し訳程度に「尼ヶ辻」などと書いた標識があるのだが、R308であることを示す標識は一切ない。これは、r1 の改良工事に関係してこの区間も拡幅などの工事をやっている最中であることと、どうやらこのま北を通っている r1 が R308 との重複区間に指定された(地図ではそうなっている)ためらしい。奈良は1路線に複数の県道や国道を指定することが多いが、これがかえって地理に不案内な人を惑わせる原因にもなっているように思う。

ついでに。三条大路5丁目から西はこの分岐まで2車線だが、左レーンは自動的に酷道へ入るので、まっとうな国道・r1・第二阪奈を走りたい一般ドライバー(そんな人がここを見るとは思えないが)は右レーンを走ろう。

写真27

国道24号線との交差点が R308 の終点になる。ご丁寧に「ここまで」の補助標識つきだった。道路はさらに東に続き、JR奈良駅のすぐ北を通り、三条通りの商店街をつっきり、猿沢池の北側を通って春日大社一の鳥居までが車が通行できる。ただし、JR奈良駅から先は東行き一方通行(自転車を除く)で、日曜祝日は歩行者・自転車専用道になる。また、一の鳥居から先は春日大社の境内になり、車両の通行は終日禁止されている。


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