ED75激写大作戦! Vol.2

050414_028.jpg 前回、”ななご激写大作戦”は自己満足度合い的にかなりの成功のうちに収められたのは、先日レポしたところである。

それから、幾年月(たたないが)・・・。2005年4月×日、ED75の魅力に魅せられたという二人をつれて、再度作戦が遂行された。その名も”ななご激写大作戦 Vol.2(う゛ぉりゅーむ,つぅー)”である。

今回の作戦遂行日は『平日』である。ふふふ、ニヤリとする諸兄の顔が手に取るように浮かんでくるぞ・・・。そう、間違いなく貨物の稼働率は”万歳三唱”状態のはずなのである。

ご同行いただいたのは、自分が鉄道写真を大量に送りつけた(?)ために、最近鉄道写真沼の魅力に足を半分近くまではまりかけていると言われる、コードネーム”狭隘路線ウェブマスター”氏と、○○バス△□営業所きっての一眼レフマスターになるべく猛特訓中と言われる、コードネーム”ゴルゴ13V世”氏のお二方である。

なお、当作戦は現地集合現地解散でもって執り行われた。◆


■ ■ ■

この日はダブル公休のケツと言いたいところだが、前日は公休日出勤。実質シングル公休を使っての、肉体的にも、精神的にも過酷な作戦となった。
なお、後日風邪をこじらせて、苦しみの中での乗務や、”大糸線国鉄色計画”なる壮大な作戦が没になるなど、散々な結果になるのは、くれぐれもここだけの秘密にしておいてもらいたい。

さて、話は本題に戻ろう。この日もやはり午前4時前に起床して現地に向けて出発する。
現地とは言うまでもないことであるが、東北本線黒磯以北のことである。

やはり半逆光〜順光となるべく列車を撮りつつ、手堅く押さえる作戦のため、まずは朝方に集中する黒磯からの下り貨物列車をねらいに定める。まずは黒磯6:44発の5173列車から活動を開始することにした。ちなみに上り列車で午前中にあるのは、黒磯9:44着の8072列車のみで臨貨であるから、これは撮影対象から除外しておいた。
そうした結果、9:53分黒磯発の5179列車までの朝方のED75牽引の下り貨物を4本ほど激写した後に解散帰宅という筋書きを頭の中で組み立てていく。あとはどこで撮るかだが、前回の作戦で地理的に少し詳しくなることができたので、ポイントは手堅く押さえてあった。あとは、気になったところをポンポンとロケハンして行こうとした。

場所は豊原〜白坂、白河〜久田野で決まりである。

■ ■ ■

白河インターにはかなり早く6時過ぎに到着した。黒磯6:44発の5173列車は、シラクタ間にて撮影することに決めていたので、とりあえずご飯を食べて、現地に行くことにする。

ところで気になるのはカッシーである。8010列車カシオペアも撮れるのなら撮っておこうと考えていた。場所はシラクタで問題ない。正面に日は当たらないが、田んぼから引いて撮れば十分に側面に日が当たるからである。

みなさんご存じのことと思うが、カシオペアというのは1編成しかなく、実際毎日運転されているわけではなかった。隔日運行であり、今日は上野発明日は札幌発と言う具合に運転されている。そのうち1週間の中1日だけ検査のために開けてあると言う具合だ。だから、1日だけ上野発も札幌発も無い日がある。さて、この日はどうであろうか?手持ちの資料ではカシオペアの運転日を記載した物がなかった。頭の中でシュミレーションをしていく・・・・・。○曜が上野発、□曜が札幌発・・・・・。と言う具合にである。

そうして得られた結論は…。

”今日は上りカシオペアは来ない”だろう・・・

というものであった。なんの確証もない物であるのだが、なぜかもうすっかり頭はカシオペアは無いと思いこんでしまう。このことが後々まで引きずり回ることになろうとはこのときは思いもしなかった。

■ ■ ■

シラクタと、一言で言うが、白河付近では線路が東西に走っており、また築堤があったり、南東方向のカーブがあったりと、全日使えそうな雰囲気を持っている。気になる箇所、踏切をロケハンしつつ、5173列車を撮る撮影ポイントに向かうことにした。

ちょっと、気になった踏切があり、車を止めて歩いて見に行く・・・。『う〜ん、ちょっと難しいかな・・・、いや待てよ、こうするとどうかな?』そんなことを考えながらロケハンしていると、唐突に踏切が鳴り出した!

すご〜く嫌な感じがする。あまりにベストタイミングである。時計を見ると思わず叫びたくなるほどタイミングバッチシである。

・・・・・・踏切に呆然と立ちつくす自分に向かって2条のヘッドライトが眩しくも照らし出すかのごとく、カーブを飛び出してきた!

カッシーである!!

ただの踏切待ちと化した自分の前をカシオペアは悠然と通過していった。

カシオペア見る鉄(泣)。

この事実はこの後もこの日の作戦を暗示するかのごとく自分の前に立ちはだかったのである。

■ ■ ■

が、所詮カッシーである。カッシーさ。カシオペアだもん。北海道新幹線開業までは大丈夫と自分に言い聞かせ、すぐに立ち直るようにした。

もう、ロケハンは止めて、2列車北斗星2号と、5173列車を撮るべく田んぼの真ん中を突っ走る。


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ここは田んぼに水を張ったときに鏡みたいに反射してきれいに撮れない物だろうか?しかし、正面が黒く潰れてしまっている。
Canon EOS10D + Tamron 28-75mmF2.8 久田野〜白河間

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北斗星2号を後追いで撮る。しかし、こうしてみると外板は波打ち車齢は決して若くないことを印象づける。後何年使うのだろうか?
Canon EOS10D + Tamron 28-75mmF2.8 久田野〜白河間

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5173列車は原色(土崎色)+赤白パンダの重連。前が原色で良かった。ただ、かなり前ピン気味だった。
Canon EOS10D + Canon 70-200mmF4L 白河〜久田野間

前が原色の重連も撮れてちょっと満足。次は黒磯8:02発の5177列車である。まだ、時間はたっぷりある。三脚を片づけ、車に戻る。すぐに車を出さず、何の気なしに地図や本を開いていた。別に意味は無い。次に撮るポイントは例の豊原〜白坂間に決めていたので、もうすっかり気を緩めていた。

またもや”見る鉄”が起ころうなどという考えは微塵も存在していなかった。それはすぐに起きた。

後でなにかが通る音がする。ふと後を振り向くとコンテナ貨車が下っていた。頭はEH500と決めつけている。そういえば、何号車なのだろうか?
機関車を振り向いたとき、雷が落ちるかのごとく衝撃が走った。

ED75重連が下っていっているではないか!!

運用差し替えでもあったのだろうか? まだED75だけなら良くなくても良いにしろ、なんと牽引しているのが1両だけしかいない、レインボー色(註:著者が勝手に命名。JR東日本に所属しているイベント用客車の故スーパーエクスプレスレインボー牽引専用機に似ているため)だったのだ!!

とっさに車をでて、後追いで追いかける。しかし機関車は彼方遠く望遠でも追いつかない。


ED75重連(しかもレインボー色)見る鉄(泣)。


やられた。ショック多大。3089列車はED75重連で下っていってしまった。今度はカッシーと違い、かなりのやる気をそがれてしまった。あぁ〜ななごよ・・・・!!!
すぐに車を出発させていれば、こんなことにはならなかった。



教訓:撮影計画に支障がない場合は、近接の列車は全て撮るようにしよう!


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前の機関車よ〜く見るとED75のレタリングが・・・・。
Canon EOS10D + Canon 70-200mmF4L

やはりショックが隠せない。やる気のないままに車に戻り、豊原〜白坂間のポイントに向かう。ちょうどこのころゴルゴ13三世氏は、白河に着いたらしい。白坂の例のポイントで合流することにした。

とりあえず、このあとの75は手堅く押さえておくしかない。そう心に誓って車を進める。だが、道を曲がる場所を間違ってしまった。ニュータウンの中を迷走して、ようやく白坂の駅前に着いた。例のごとく北斗星4号は捨てて、ED75に専念する。

白坂のポイントに付くと、誰もいなかった。一人三脚をセットして、準備を整えておく。そうこうするうちにゴルゴ13三世氏が到着する。今日の撮影計画を入念に伝えておく。彼は、精力的な人物で他の作戦もあるからすぐに離合するとのことであった。あとは狭隘路線ウェブマスター氏を待つのみである。狭隘路線ウェブマスター氏は列車で現地入りするとのことであったが、まだ黒磯あたりなのであろう。

次に来るのは黒磯8:02発の5177列車である。東北本線というのは長閑なところである。本線とは言いつつ、列車はなかなか来ない。壮大なローカル線でもある。

この5177列車は縦撮りで遊んでみることにした。ちょっと余裕があるのか、さっきの件でもうどうでもよくなったのかは分からないが、縦撮りにしてみるとまた違った迫力が出て面白い画像となった。

そうこうすると、目の前を701系が通り過ぎる。すぐに狭隘路線ウェブマスター氏の姿を車内に発見、挙手をする。このポイントは駅から10分ぐらいのところであろうか。狭隘路線ウェブマスター氏も間に合いそうである。

まもなく狭隘路線ウェブマスター氏がやってきた。しかし、もう一方お連れしている。どうやら、駅で一緒になったらしい方だ。後々聞いてみれば、私などのにわか鉄など申し訳なくて同じ場所で撮るなど愚の骨頂というほどすごい方であった。鉄道雑誌を開いてみればその名を目にした方も多いはずである。


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せっかくだから、壁紙用にデザインしてみた。我ながら相も変わらずセンスのないこと・・・。

Canon EOS10D + Canon 70-200mmF4L 豊原〜白坂間

5177列車を撮り終えて、4085列車を待つ。その間、金太郎が行ったり、417系が行ったりと前回と変わらぬ時間が過ぎる。そういえば、北斗星4号が行った記憶がない。4085列車の前だったはずであり、どうやら遅れているようだ。後にこの遅れが、再度私にのしかかってくる。


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ちょっと青みがかってる?
Canon EOS10D + Canon 70-200mmF4L 豊原〜白坂間

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今日は、サーボAFを使用していたが、この後のベストタイミングなコマで見事に迷ってすさまじいピンぼけに。
Canon EOS10D + Canon 70-200mmF4L 豊原〜白坂間

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言うなれば、順番が逆だったならば・・・。しかし、バリ順の中の赤白パンダ+原色重連も申し分ない。
Canon EOS10D + Canon 70-200mmF4L 豊原〜白坂間

先ほどの方にお礼を言ったりして、この4085列車を追いかけるべくここを離れる。

ところが、ここでも再度ミス。シラクタに向かうのに道を間違えたのである。明後日の方向に向かってしまい、すぐにUターン。もう時間もないので、追いかけは半分あきらめる。戻って、線路に来たところで、我々の目前にまたもやそれは訪れた。


8072列車(しかも原色ED75)見る鉄(泣)。


8072列車は運転されていたようである。それならば、最初から追いかけをしないで、こ
れに的を絞ってポイントを練っていれば良かったのである。原色である・・・。原色・・・。

ここまで、変にタイミングがあっていると何か笑いすら出てきてしまう。全て、絶妙のタイミングで現れている。意図して起こったことではない。なぜなら、その時間にそういう物が来るという前提で行動しているわけではなかったのだから。今回もそうである。道を間違えなければ、見ることはなかったのである。

見ることもなければ、知ることもない。その事実は自分の知らないところで起きていただけのことになるはずだったのだ。

変に見れるから、撮れたのに〜と悔しくなってしまうのが鉄の定めなのだろうか・・・。

当然、4085列車は追いかけたが、もうすでに北上をしてしまっていた。

もう、過ぎたことは無しにして黒磯9:53発の5179列車を撮るべくロケハンすることにした。何しろもう日は高く昇ってしまっており、シラクタ付近では前が潰れてしまうのである。

久田野の隣、久田野〜泉崎間では線路が限りなく東西方向に走っているのを確認した。これを見逃すわけには行かない。ただし撮れるのだろうか???

即座にロケハンを開始する。ちょっと大回りしないと現地には行けないようだった。現地に行ってみると、良い感じで撮れそうである。下り列車は光線等もばっちりそうだ。線路のそばに農道が通っているのも良かった。

すぐに三脚をセットして、5179列車を待つ。


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701系が通り過ぎる。やはり2両よりも長い編成ならば迫力は出る。艶消し(梨地)仕上げのステンレスが結構露出決定に苦しみそうだ。
Canon EOS10D + Canon 70-200mmF4L 久田野〜泉崎間

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5179列車は赤白パンダであった。
Canon EOS10D + Canon 70-200mmF4L 久田野〜泉崎間

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ついでに、455系。車に戻ったところで来た。
Canon EOS10D + Canon 70-200mmF4L 久田野〜泉崎間

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じつは、この455系、よく見ると・・・。窓が変?そう、サハ(サロ)165の先頭車改造なのです。本家の165系は全滅したが、まだ生き長らえている。しかし、その行く先は決して明るい物ではない。
Canon EOS10D + Canon 70-200mmF4L 久田野〜泉崎間

これで本日の作戦は一旦終了する。というか、解散である。ゴルゴ13三世氏は一足先に帰っていった。狭隘路線ウェブマスター氏は再度電車に乗って北上するとのことなので、駅に送りに行く。ただし、なにしろ列車の本数が少ない。14時過ぎの電車まで大丈夫とのことなので、気になっていた、泉崎〜矢吹間のロケハンと食事をして別れることにした。

泉崎〜矢吹間をロケハンする。なるほど、田んぼの真ん中を築堤上に進んでなかなか良さそうである。ただ、光線状態には気を付けなければならなそうだ。陸橋上からねらうポイントなど、雑誌の写真と同じ場所を見つけたりした。

そんなロケハンの中、集落の道路から農道へと道を曲がり、田んぼの真ん中の小さな踏切に行ってみた。なかなか良さそうである。カメラ片手に、ファインダーを覗いてみる。そうこうして、車に戻り、また集落の道路へと戻った。そのときである。私の視界の中に青い物体が横切っているのである。


遅れ4列車北斗星4号 見る鉄(泣)。

あと、どちらかが2〜3分、はやいか遅いかすれば撮れたのである。踏切がなっていれば撮っていた。もともと撮るつもりが無いとはいえ、どうして、こうもタイミングが良すぎるのだろうか? またもや笑いが止まらない状態。

それも撮れない状態になってから、私の視界にベストタイミングで入ってくるのである。視界に入ってなければ存在すら知らなかったのに・・・。まぁ、いいや。そういう日もあるでしょう。

ロケハン終了。もうやめて食事して帰りましょう。

その前に、ダメ元で臨貨8175列車を撮っていこうと言うことになる。8175列車はさすがにお昼近い列車で、南東を線路が向いているところでなければ、順光では撮れない。ただ、側面に日が当たっているのであれば、さきほどの久田野〜泉崎が良いだろうということになり、またさきほどのポイントへと移動する。

単機でも動けばラッキー程度に考えていた。8175列車とは改正前の5175列車である。これは、川崎貨物を出て、東北本線方面に出る、唯一の化学薬品等を扱う車扱い貨物列車である。石油列車と違い、1両1両解結を繰り返しながら走る、雑多な貨車で組成される、かつての国鉄時代を彷彿させるような列車なのだ。しかし繋がるのはタンク車のみである。でも色形が様々で見る物を惹きつけて止まない。

しかし、その扱い量は年々減っていき、去年など定期運転であったが、タンク車1両とか2両程度というような散々たる組成が続いていた。もちろん繋がるときは繋がるのだが。そうして今年の改正で臨貨に格下げされて、風前の灯火と言った状況であった。だから、運転自体も期待していないし、ましてや運転されても、2〜3両程度なのだろうと踏んでいた。

実は、この5175列車は前々から撮りたいと思っていた列車である。もちろん、光線状態はいただけないが、武蔵野線で朝に撮ることが出来る。しかし撮ったことはなかった。

とりあえず、三脚をセットして待つ。


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ラテックスタキ、黒タキ、黄タキ、白タキ、黄タキ、青タキと蒼々たる編成でやってきた8175列車。しかも原色牽引。前が潰れたが、側面がはっきりしており満足。
Canon EOS10D + Canon 70-200mmF4L 久田野〜泉崎間

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石油需要を反映してか、後には青タキが連なる。というか貨物時刻表を見ると、石油列車となっている。
Canon EOS10D + Canon 70-200mmF4L 久田野〜泉崎間

こんだけ見事な編成を見せつけられたら、かなりの満足である。そして、すぐに上り列車がやってきた。危うくかぶられるとこだったのだ。見る鉄が多かったが、ここらに来て少し良くなってきたのだろうか?

ただ、もうED75牽引の列車は15時過ぎまでない。白河の町に出て、ファミレスで食事をして、最後の最後に豊原〜白坂間にある、黒川陸橋だけ見ておきたいと言うことになり、そこをロケハンして白坂の駅で解散ということになった。

黒川橋梁は国境にも位置し、その立派さに圧倒される。とりあえず、撮影地点も見てみる。しかし私には極度のストレスとなる。このストレスが風邪をこじらせた原因だろうか?

黒川橋梁のロケハンを終えて、満足の中白坂駅で狭隘路線ウェブマスター氏を降ろす。ここから再度電車で北上するらしい。私はと言えば、あとは帰るだけである。が、時間が、微妙に5176列車が撮れる時間である。

白坂〜豊原間は下り線のみならず、上り線も良い絵が撮れるポイントである。午後順光バッチシだ!

すでに撮影ポイントには三脚が1本たっている。挨拶をして隣に準備を進める。

5176列車は5179列車の折り返しだからカマは赤白パンダである。


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バリ順で申し分ない。この場所だと必然的に後が切れるが、そうとう長い編成だった。
Canon EOS10D + Canon 70-200mmF4L 白坂〜豊原間

もう、終わり。帰りましょう。4086列車を待ちたいけど、あと1時間以上ある。ゆっくりロケハンしつつ帰って、黒磯から高速に乗ろうと考えた。

焦る必要はない。黒田原〜豊原間でどこか無いかと、変な脇道を入っては迷いを繰り返していた。なかなか丘陵地帯で線路に近づけない。

田んぼの真ん中、築堤の真下に来た。そう、先日北斗星2号を撮ったあの築堤である。その下で、何の気なしに時刻表などを眺めていた。

そんな折り、狭隘路線ウェブマスター氏からメールである。郡山についたらしいが、原色重連が出発待ちをしていたとのこと。とりあえず、お礼を送り、考える。あと30分なら別に撮っても良いのではないだろうか?

よし、撮ろう。場所はもう白坂〜豊原間以外に無い。時間はあまり無い。とりあえず、車を急がせる。とはいえ、狭い山道だ。慎重にならざるを得ない。

さきほど、5176列車を撮った、白坂駅すぐのポイントは時間的にもうダメだろうと考えた。もう黒川橋梁のたもとから上り線を写すより他無い。黒川橋梁に付くとすぐに三脚とカメラを片手に準備に取りかかる。何か胸の鼓動が激しい。緊張もそうだが、知っている人は場所も場所なのだ。まぁ、別になんてことはないと言えば、そうなのだが、私にはやはりそういう場所はいやなのである。高所恐怖症には不向きである。めちゃくちゃ高いがけの上に立つ必要があるのだ。上りはよいが、下りなど絶対に撮りたくない。ただ、かなりのお立ち台スポットで人はよく集まる。

まずは先行のEH500を待つ。EH500のコンテナ列車が通り過ぎていった。

お目当ての4086列車は次である。遠く踏切が鳴り出し、原色がカーブから現れた、軽いホイッスルが鳴りどんどんと近づいてくる。了解というか申し訳ないというか、ありがとうというか、とりあえず、片手を高々と上げて接近を承知したことを伝える。線路と隔離もとったし問題はない。あとはファインダーを見つめる。ファインダーを見つめる自分が興奮していくのがわかる。手がふるえる。

幻の白Hゴム、本物の原色、ED75 109ではないか!!!

後が土崎色とはいえ、原色同士の重連。興奮しないはずがない!

ななごは軽々とした足取りで自分の横を通り過ぎる。

感無量というのだろうか。バリ順の中、原色重連。しかも前が本物の原色。撮った後の充実感がすばらしい。待っていて良かった。しかも場所も恐い思いをして黒川にしたかいがあった。白坂よりのポイントではどうしても機関車が小さくなる。ここでは機関車を大写しできる。


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本物の原色に白Hゴムの109号機が前の原色重連。今となっては奇跡に近い? 原形と言うべき姿か?
Canon EOS10D + Canon 70-200mmF4L 白坂〜豊原間

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ご覧のように本物の原色と土崎色はこんなにも違う。手前が本物の原色。後が土崎工場(現秋田総合車両セ)で全検施行した車両の通称土崎色。赤が派手派手しいのが特長。ちなみに本物の原色は全検が郡山工場(現郡山総合車両セ)施行車であり、郡山工場での機関車の全検が終了した現在となってはもう現れることのない色なのである。ちなみに土崎工場も昔はちゃんとした色だったと思うが、塗料を変更したために、こうなったようだ。

ちなみに現在では土崎工場でもJR貨物の車両は全検を行わないために、交流機のED75もJR貨物の大宮車両所で全検施行されている。また、その塗色は郡山工場や土崎工場と違った色合いとなった。

郡山工場で最後に全検を施行したのは平成10年12月のことであるようだ。つまり、それ以後の全検施行は土崎工場あるいは大宮車両所となっている。すなわち、本物の原色はこれより検査切れするごとに消滅していくことになる。それは、平成10年が最後ということは、平成17年となった現在。もはや検査期限に余裕など無い。一刻の猶予も残されていないことがお分かり頂けるだろうか?

そのような状況の中でのバリ順で撮影できたのはすごい幸運だったのかもしれない。今回の作戦では4回も”見る鉄”をしたが、最後の最後で何にも変えられない、贈り物となった。

ありがとうED75。また会おうED75。

ちなみにここで運を使い果たしたのか、その後のどが痛みだし、風邪の中苦しみの乗務が続くことになる。って、今も苦しんでいるのか?



あなたのデスクトップにななごが一杯・・・。
っていかにも童貞チックと言う感じで恥ずかしいのぉ・・・。

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