ED75激写大作戦! Vol.四 (ターゲットはナナ・ナナ・ゴ)

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・・・その名を”ななご激写大作戦”といふ。

この作戦の趣旨とは、”ななごを撮りたい”というなによりも強い思いである。ななごに魅せられ、その魅力にどっぷりとつかったある人物のお粗末”珍”撮影記である。


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前回、Vol.3ではJR東日本よりJR貨物に貸し出された775号機を撮るべく作戦を遂行したのは先日レポしたとおりである。しかし、その結果は775号機は仙貨でお休みで代わりに廃車回送である次無動の3重連をゲットするという、それ一度きりという貴重な場面に出くわすことになった。

しかしながら、絶滅寸前の700番台機が引っ張る貨物列車も貴重な場面であることには違いない。だが、そのチャンスは廃車回送よりははるかに大きい物の、果たして流暢に過ごしていれば過去の物となるのは間違いなかった。

Vol.3からまだ日も浅い6月×日。まだ返却はされていないが、もうその日は間近であろうと噂される仙台へ向けてダブル公休を使用した強行軍を行うことになった。

今回のスポンサーは、コードネーム”ゴルゴ13三世”氏と、○○バス○○営業所きっての旅鉄派、コードネーム”伝説のスナイパー次元”氏のお二方である。初登場となる”伝説のスナイパー次元”氏は写真は全くやっておらず、一眼レフも持っていなかったが、以前私がスナップ写真用にと安価で譲渡したコンパクトデジカメを持参しての参加となった。しかし、やはり氏にとっては”乗り鉄”の方が良さそうであった。いや、たまには”撮り鉄”も良いでしょう・・・・・。

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今回も最重要ターゲットはA22運用をなんとしてもゲット。そして、前回撮り逃した”仙台朝のゴールデンタイム”を撮る。この2つを最大の目的として作戦を練った。

今回、”ゴルゴ13三世”氏は新幹線で直接仙台に向かうとのことであった。今回の宿泊所は同氏ご愛用の”メルパルク仙台”。”伝説のスナイパー次元”氏と二人、仙台まで車を回すこととなった。

ところで今回の出発もお昼前。耳元で4086列車が撮ってくれと囁く。しかも5176列車も撮れそうな時間である。途中のPAでお昼ご飯を食べて東北道を北上する。しかしながら、黒磯を過ぎたあたりで微妙に5176列車を撮るには時間が危なくなってきた。ポイントに行くのも危ういから高久駅で駅撮りすることにする。ところがうまく構図を作る暇もなく、思いっきりピンぼけでカマだけ写すだけになってしまった。ハイ、終了

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 5176列車 高久
 Canon EOS10D + Canon EF70-200mmF4L

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なんとも旅の始まりにはお粗末な始まり方をしてしまった。これは、次の4086列車はしっかりゲットしておきたい物だ。時間はあるが、すぐにトヨラカへと向かおう。前回に比べるとだいぶ緑が活気づいてきた様子が分かる。すでに数人の方が準備をされている。挨拶をしてその隣に陣取る。パンダと赤の重連。順番が逆だったらなぁ・・・・。


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4086列車 白坂〜豊原
Canon EOS10D + Canon EF70-200mmF4L

ところで、ここで話を聞いているとどうやら今日は5179列車がウヤだから5183列車が重連になるとのこと。そう聞いてしまったら、行くしかない。シラクタの今回は築堤を行く列車を広角気味に撮る。コキワムの列車だが、かなりの長さだ。

あっー! あれは・・・。

Vol.2で走行写真を取り逃した”虫工”ではないか!!

ようやく走行写真をゲットできた。しかも、広角気味のポイントにして良かった。レンズがもっと広角にすれば良いのだが、手持ちが・・・。28mmだと、10Dでは標準系になってしまう。


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 5183列車 白河〜久田野
 Canon EOS10D + Tamron 28-75mmF2.8

ようやく”虫工”をゲットできた。しかし、この列車は長い・・・。もっと腕があればきれいに撮れるのだろうが・・・・・。

さぁ、ここまで撮ったら今日の鉄活動は終了。
白河から仙台といっても、そこそこ距離はある。だが、宿の手配もすんでいるのでゆっくり北上することにした。
”ゴルゴ13三世”氏を待たすわけにも行かないので、ゆっくりと言いつつも小気味良く北へと針路を取る。


今日の宿泊所である”メルパルク仙台”は郵便貯金でやっている。前回泊まった厚生年金会館などと同じように公共の宿である。値段の割りには好待遇のサービスを得られる。また、最上階展望風呂も一押しだ。

もう19時ぐらいになったのだろうか。まずは宮城野貨物駅へと出向いてバルブをさせていただき、無事メルパルク仙台に到着した。”ゴルゴ13三世”氏と無事合流する。チェックインをすませ、食事は氏御用達の牛タン屋へと出向く。駅を挟んで反対側にあり、少しばかり仙台の街を散策する。

宿にも着き、飯を食い、酒を飲み、風呂に入る。ゆっくりとしたいところだが、そうもいかなかった。なぜなら”仙台朝のゴールデンタイム”をゲットするには4時過ぎには起床して、出発しなければならなかったからである。もちろん場所は吉田川橋梁で決まりだ。ゆっくりしたいし、いろいろ語り合いたいとも思う。思うのだが、時間はどんどんと過ぎていく。あまり時間もなくなってしまったが、短い休息を取るべく就寝する。問題があるとすれば、枕が変わると眠れない質の私は良い(だから泊まり勤務だと過酷なんです)として、同行の氏は爆睡大魔王である。はたして明朝きちんと起きてくれるのだろうか・・・。

一抹の不安を覚えながらも、時計を見ればすでに0時を回っていた。


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ふと目が覚める。まだ3時だ。一応意識がなかったので寝ていたのだろう。あと1時間で出発。まだまだ寝ていてもオッケーだ。だが、半分起きた状態で気がつけば4時のアラームが鳴っていた。起きているとはいえどもふとんからはなかなか出られない。


案の定、同行の氏は爆睡している。ちょっとやそっとのことでは起きなさそうである。やれやれ。なんとか全員をたたき起こして、準備に取りかかる。朝の時間のたつのは早い。カーテン越しの外を見ると、曇っているようだ。
「曇っているのかな?バリ順で撮りたいなぁ」そんなことを心でつぶやきながら、そそくさと準備を進める。

チェックアウトをすませ、車も前日のうちにロビーの前に置いておいた。

今日のハンドル担当は自分である。なんだかんだと仙台の地理に明るくなってしまっていたのだ。他の二人は後部座席で半分寝た状態で勝手に車を吉田川橋梁へと向かわせた。

まだ車通りのほとんど無い仙台市内を快走する。

紙輸送列車である5263列車は愛宕を5時30分ごろを目安としていた。これは、根廻で撮ろうと決めていた。曇り空おまけに5時半のために露出はあまりあがらない。それでもなんとか撮ることは出来る。白パンダのワムコキ列車が通り過ぎる。




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 5263列車 愛宕〜品井沼
 Canon EOS10D + Canon EF70-200mmF4L

まだ、みんな寝ぼけている。自分もそうだが、あまり頭が働いていない。しかもあまり寝ていない。

ななごの列車を撮れたにもかかわらず、なんかみんなあまりシャキッとしていなかった。

さぁ、今日の第一の目的地、吉田川橋梁へと急ごう。


吉田川の堤防に来た。ここは橋の下から斜面を上っておじゃまして撮る。6月ぐらいまでなら草の繁茂もなく、光線もバッチリできれいに撮ることが出来る。安全に十分留意して邪魔しないように撮る。

まずはキンタがやってくる。うっすらと太陽がでているのがわかる。ただ、全体的に朝方は霧がでているのかもやっていた。朝の淡い太陽光を浴びた列車が通り過ぎる。脚立をいす代わりにして、朝の心地よい風を体全体で受け止める。


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 品井沼〜鹿島台
 Canon EOS10D + Canon EF70-200mmF4L

1時間近く陣取る。小気味よく進めていくことにしよう。いつまでいても飽きない。朝方6本近くの貨物が行き交うが、そのうち4本がED75なのである。その名も”仙台朝のゴールデンタイム”。バリ順でゲットできる、”黒磯朝のゴールデンタイム”と並んで、貴重なななごタイム。


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 品井沼〜鹿島台
 Canon EOS10D + Canon EF70-200mmF4L

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 品井沼〜鹿島台
 Canon EOS10D + Canon EF70-200mmF4L

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北斗星 鹿島台〜品井沼
 Canon EOS10D + Canon EF70-200mmF4L

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 品井沼〜鹿島台
 Canon EOS10D + Canon EF70-200mmF4L

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 品井沼〜鹿島台
 Canon EOS10D + Canon EF70-200mmF4L

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 品井沼〜鹿島台
 Canon EOS10D + Canon EF70-200mmF4L

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 品井沼〜鹿島台
 Canon EOS10D + Canon EF70-200mmF4L

651列車は曇ってしまったが、それ以外の75はバリ順でゲット!!。しかも、1031号機は品井沼〜鹿島台で良く出会うカマだ。おまけに1007号機にも出会う。臨貨8261列車は黄タキが1両。かわいい!

常磐線からやってくる貴重なななご牽引列車である、93列車、95列車もバリ順で申し分ない。土崎色であるが、”赤”の126号機も撮れて満足。

ここまで撮ったら、851列車を東仙台〜岩切で撮るべく移動する。そうこれこそ、A22運用。今回は下調べをせず、とりあえず撮るというスタンスで望む。

愛宕から利府までは東北線旧線沿いに向かう。途中、利府の手前で交流機関車の礎、ED91号機を拝見させていただく。敬意を表し、東仙台〜岩切へと向かおう。形は旧型電機そのものだが、色が塗ってあるだけでこうも印象が違うのかと感じる。たとえば、EF15などと同じ形であるが、あちらは茶1色。でもこちらの方が新しく見える。


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Canon EOS10D + Tamron 28-75mmF2.8

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ポイントに付き踏切の陰で待つ。もうすぐ来るはずだ。遠くヘッドライトは輝き、踏切が鳴りだした。あっ! あれは。775号機だ!!

闇雲にシャッターを切る。


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 851列車 東仙台(信)〜岩切
Canon EOS10D + Canon EF70-200mmF4L

ついに出会えた。775号機。しかも太陽も出ている。すぐに陸前山王駅に向かい、入場券を買い求める。


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 陸前山王待機中
Canon EOS10D + Tamron 28-300mmF3.5-6.3

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775号機も東芝製なのか。昭和50年製造。もう鉄道車両としては良い年齢である。
区名札に輝く『秋』の文字。そして、JR東日本の車籍銘板。まさしく、これは775号機なのだ。
逆光であるが、一通り写した後、すぐに国府多賀城駅へ向かい、入場券を買い求めて中に入る。改札氏に挨拶した後、十分気をつける旨を伝えて、ホームで準備する。


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 1071列車 国府多賀城
Canon EOS10D + Canon EF70-200mmF4L

太陽も出ていて絶好の条件の中、通り過ぎる。

さて、これは後々、帰ってから分かったことであるが、どうやらこの日は貸し出し最終日前日の運用だったようなのである。それは、つまり翌日のある掲示板の書き込みで回送票がささった状態で仙貨に留置されているのを目撃した情報があったのだ。そうしているうちに775号機はその後このA22運用(翌日は変運用)に着くことはなく、秋田へと回送されてしまった。

前回といい、今回といいなんという絶妙のタイミング・・・。

なお、回送された後は、検査期限が切れるため入場が必要であったのだが、入場はされずに秋田総合車両センター(旧土崎工場)の留置線の奥に留置されている状態が続くと聞く。
そう、実は大宮に開業する鉄道博物館の概要は皆さんご存じと思うが、そこに展示される車両にED75が含まれていた・・・。あくまで推測に過ぎないが、そうして考えると白羽の矢が立ったのが775号機なのではないだろうか。解体されることなく美しい姿になって、いつまでも保存されることになればそれほど喜ばしいことはない。


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 1071列車 国府多賀城
Canon EOS10D + Canon EF70-200mmF4L

今回の目的は無事に果たすことは出来た。明日が仕事なので早く帰りたいとは思うが、今から帰っても早すぎる。13時台の上り貨物列車が連続する時間を撮ってから帰宅することにした。

その前に国府多賀城下りホームに移り、きちんと2078列車を撮っておく。白重連が来た。


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 2078列車 国府多賀城
Canon EOS10D + Canon EF70-200mmF4L

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 気仙沼線からの快速 3920D 国府多賀城
Canon EOS10D + Canon EF70-200mmF4L

この列車は先頭はキハ40であるが、一番後ろは、平窓のキハ58がくっついている。未だに平窓が走っているのを見てちょっとうれしい。


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 気仙沼線からの快速 3920D 国府多賀城
Canon EOS10D + Canon EF70-200mmF4L

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この後、明神踏切、第二根廻と移動してポンポンと撮影を続ける。


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思いっきり前ピン・・・。

 5660列車 愛宕〜松島
 Canon EOS10D + Canon EF70-200mmF4L

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うわ〜〜、ギリギリだ!

 2079列車 愛宕〜品井沼
 Canon EOS10D + Canon EF70-200mmF4L

この後、再び明神へと移動して、13時台の列車を撮る。日平がらみだと1本が金太から75へと変運用されるらしいがこの日は75は1本のみであった。


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 愛宕〜松島
 Canon EOS10D + Canon EF70-200mmF4L

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 愛宕〜松島
 Canon EOS10D + Canon EF70-200mmF4L

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 愛宕〜松島
 Canon EOS10D + Canon EF70-200mmF4L

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 愛宕〜松島
 Canon EOS10D + Canon EF70-200mmF4L

ここまで撮ったら翌日の勤務もあるために帰宅となった。途中、途中で乗務員交代をしながら東北道を一路、東京目指してひた走る。775号機もゲットしたし、バリ順の75も撮影できたし、当初の予定+@をこなして、満足のなか帰路につく。

後々気付いたことではあるが、返却直前の絶妙なタイミングで太陽光のもと775号機をゲットできたのは運が良かったのかもしれない。


ありがとうED75。また会おうED75。


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