神奈川県道515号線
《三井相模湖線》




515


特別企画

神奈川県道 三井相模湖線

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廃道区間は頑丈なバリケードで車両の進入を拒んでいる。


この廃道区間は一体どうなっているのだろう。
廃道区間をレポしてみた。



完全に消滅する直前の美しい廃道の
匂いを感じていただけたら幸いである。




★ CAUTION!! ★

通行止めとされている道路です。進入はあくまで自己責任で。

落石多発、路肩陥没。大変危険な状態です。もし崖から転落すれば、津久井湖まで相当の落差があります。

1.危険、異常と感じたらすぐに引き返す
2.大雨や異常気象の時や直後には行かない
3.けものの糞などを見つけたら深入りはしない
4.ふざけた気持ち半分で進まない




さぁ、勇気を振りしぼって


通行不能区間は、相模湖側千木良の集落のバリケードから名手の集落へと往復した。まずは、千木良から通行不能区間入口までのアプローチである。



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千木良の集落で分岐する県道517号線奥牧野相模湖線側に立つ標識

すでにこの先通行止めと表示されている。

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分岐点には薄汚れているが、通り抜け出来ない旨の看板


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少し行くとさらに古い看板が現れる

この看板の様子だとかなり昔から通行止めとなっているようだ。


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500mぐらい走ったところに、最後の民家の手前にこの電光表示板と3枚の全面通行止め看板

これでもかとばかりに3枚の全面通行止め看板が立つ。そして、幕式の電光表示板がもう変わることのない表示を出している。

落石を復旧する様子もないし、もう永遠に通ることは出来ないであろう。それでも、この幕式の表示板は「落石」「通行止め」を表示して誰も通ることのない道路で、今日も明かりを灯しているのである。



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路肩弱しと警笛鳴らせ区間


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薄汚れた徐行の標識

気のせいか、標識がでかいような気がする。

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ここあたりまでは森を手入れしたりする人が入っている

ここから200mも走ると頑丈なバリケードが現れて、交通は完全に遮断される。待避所の標識も立っているが、ここは道幅が若干広くなっている箇所だ。



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上の広い箇所を過ぎれば、落ち葉は溜まる一方の道路

もうあからさまに廃道の匂いを醸し出している。

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待避所ありの標識 / 狩猟の鉄砲玉が当たったのだろうか?

この県道は、現道区間(通行困難区間)も含めて待避所についての標識がとても充実している。なお、待避所以外での離合は全く不可能であり、また津久井湖の北岸の高いところにへばりつく道路のため、路肩から崖下までは相当の高さがある。

なお、待避所であっても離合は生やさしいものではない。



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落ち葉の絨毯の上を進む


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目の前に現れたバリケード

鉄パイプを格子状に組んだ、頑丈なバリケードで道は封鎖される。実は、ここでバリケードがあるのだが、また100mぐらい進んだところで同じバリケードで封鎖されるのである。



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通行止めの看板が2つ並ぶ

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バリケードの先

ついに、道は半分が自然へと還り始める。ところでお気づきのようにこの状態なのだが、人が歩く部分の道幅が確保されているのである。そう、恒常的に通行がなければこういうことにはならない。

進行左手の崖はくずれ、道が半分埋められている。そこに草木が生えてしまい道幅は半減してしまっているのだ。



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この地点より、沼本ダムを遠望する

通行不能区間、すなわち廃道区間というのは距離にして2〜3kmといったところである。



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この先に第2のバリケードが見えているのがお分かり頂けるだろうか?

右の崖はくずれ放題。恐ろしい状況となっている。そう、佐久間ダム沿いの静岡県道288号線と似たような感じだ。この状況では消滅するのも時間の問題なのであろう。

ぼこぼこになったガードレールが哀愁を誘う。



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第2のバリケード

ここは浸食されているとはいえ、現道時代の道幅をよく残している。この様子では現道時代でもその幅員は相当狭かったのだろう。



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右の崖の落石防護ネットとガードレールがかつて車両が通行した道路であることを物語る


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落石防護ネットの中は土砂が堆積 ネットが破壊されるのも時間の問題


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谷側に木が生い茂っていないところでは落ち葉の絨毯がすさまじい

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谷側に木が生えて鬱そうとしたところ

アスファルトが綺麗に出ているが、路面にはコケが生えて、もう通る車のないことを示している。綺麗なままのカーブミラーが哀愁を誘う。


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お分かり頂けるだろうか? 一筋のけもの道が続いていることに!!

この県道は通行止めであるが、完全な廃道ではない。なぜならこの沿道にある送電線鉄塔の巡視に必要だからである!!

だからこそ、一筋のけもの道がずっと続くのだ。



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道の真ん中に落岩が一個 ひっそりとたたずむ

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落ち葉の絨毯 崖からはこれでもかとばかりに植物が浸食を進めている

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4〜500mも走ったところだろうか 道幅が倍増し、何かのコンクリート土台が現れる

今までの待避所とは全く違う感じで道幅が広がった。そしてそこには道の両脇にコンクリートで出来た土台があるのだ。以前、ここにゲートでもあったのだろうか?

だとしても中途半端な位置である。何の跡なのだろう?


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コンクリート製の土台



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落石注意の看板

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ひときわでかい徐行標識は朽ちるのを待つだけ…


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道路の半分が堆積した土砂で浸食されている

草木の種が飛んできて、ここに根を下ろしたとき。この道は廃道への道をさらに突き進むのだ。



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再び広い箇所が現れる

ここもひときわ広くなっている。そして滝がありちょっとした水場のようだ。もしかしたら、現道時代には水をくんだ人もあるのだろうか?

でも、この水の上流は高尾山だからな…。



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ここで新多摩線鉄塔へと至る巡視路が別れる

画像左端の鉄パイプの階段がそれである。

ちなみに鉄パイプの隣の白い標柱には「県立陣馬相模湖自然公園」と書かれる。廃道区間の自然公園の標柱。なにか、酷道418号線の廃道区間にある、国定公園の標柱を思い出してしまう。



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神奈川県道の証

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巡視路全景 この先山登りをする





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