富山県道67号線
《宇奈月大沢野線》

(大沢野町〜大山町)

【池原一号隧道(A地点からF地点)】

※原則として拡大画像にリンクしています。画像の回りに
水色で縁取ってある画像はリンクされています。
また画像は大山町方面を写した画像です。
振り返って写した画像はその旨注釈を付けています。





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周辺略図




【A地点】
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県道67号線の分岐

県道67号線は大沢野町坂本で県道65号線より分岐。この県道65号線はセンターラインのない2車線路と言う感じでそこそこ狭隘。
一応標識が立つが、県道67号線方面は寺家公園としか書いて無く、実質大山町へは機能してないことを物語る。



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県道65号線との分岐点を振り返る / 県道67号線と記念撮影

分岐した先の県道67号線は歩道のない2車線路という感じで広幅員、直線の良い道が続く。ここだけ見れば65号線よりは立派だ。路肩のポールには律儀にもちびヘキサが張られている。



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歩道のない2車線路が続く / 路肩にはポール

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沿道はひたすら田んぼ 田んぼの中を突き進む

【B地点】
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T字路にぶつかる / ここを左折

しばらく心地よく田んぼの中を流すと一時停止標識とともにT字路にぶつかる。もちろん交差点に標識など無い。地図を頼りに左折すると、路肩のポールの富山県の文字を見て少し安心して進む。神社の前を通り、集落を抜けて進んでいく・・・



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ここは県道では無い!

地図によると県道67号線は途中で、神社の先で左に折れる。神社をこえてそれらしい道がないか探す。どれも農道みたいな物ばかりで、はたしてどこにあるのか迷う。そのうち歩道付きの立派な道路になった。
気分は捜索中の探偵である。どれだ、どれだ、どれだ! 一体、どれが県道67号線なのだ!


そのうち、この道路は直角右カーブしてしまった。完全にミスコース。どこで間違ったのだろう。とりあえず、神社の前(姉倉比売神社)まで戻ろう。
地図をゆっくり見ると、県道67号線は神社とお寺にはさまれた交差点を左折することになっているようだ。ということは行き過ぎていたのか。神社のすぐ先の交差点を左折してみる。


【C地点】
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この交差点を左折だが、どこをどう見ても通り過ぎること大

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左折してみる / その先さらに道が狭くなる

左折してみたが、そこはおいそれ県道とは思えない。町道、林道、いや・・・、どこかの民家に入り込むような道路である。しかも100mも進めば道幅は完全1車線。県道とうたう物などどこにもない。



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寺家公園の中を突き進む / トイレと東屋と駐車場

そして寺家公園の中を突き進むような感じとなる。公園の中の道路と聞けば、大方どのような道路か想像がつくだろう。道には木が覆い被さり、沿道にはトイレや駐車場や東屋まである。本当にこの道なのだろうか?
心配だけが増幅されるがもしダメなら引き返せば良い。そしてこの道が正解ならば、それと分かったときの興奮が倍になる。


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公園を抜けた 道はまっすぐ続いている

そして寺家公園の中を通り抜ける。別に標柱が立つわけでもないのだが、公園を抜けたと直感する。道の雰囲気が、空気ががらりとかわる。普通の道となるのだ。道は続いている。大方間違ってないのかも。だが、幅員はさらに狭くなっているたーせる号ですらこの幅。岐阜県道83号線も狭かったがタメを張るぐらいだ。



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たーせる号の記念写真 / 路肩とタイヤとの間隔を見て欲しい

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鬱蒼とした林間を道は通る

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そして標識が見えてきた / 道沿いには沢

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この先車両通行不能

この先車両通行不能という苔むした標識が見えてきた。既にhonさんのサイトで予習をしていたので、この標識の存在は知っていた。この道で間違って無さそうである。富山県とあることからもこの道は間違いなく「県道」なのである。



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時たま忘れた頃に転回所というのか待避所が現れる(右の画像は振り返って写す)

【D地点】
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道は切り通しになる / なぜか大沢野町の標識(右の画像は振り返って写す)

杉木立のような林間を通り抜けるとごく普通の雑木林のようになり、道は切り通しを進む。車が通ったらしい轍があるから突き進んでいるが、現道とは思えない。道の真ん中には枯れ葉や枝が積もる。切り通しの箇所なぜか大沢野町の標識が立っている。もちろんここは町境ではないはずであるが・・・。大山町の標識はなかった。

この切り通しを抜けると目の前に坑口が現れる。それにしても小さな小さな坑口だ。だがそれ以上に凄い光景が待っているとは思っても見なかった・・・。とにかく強烈だった。カメラを持つ手が震えた。



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池原一号隧道 大沢野側坑口

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坑口をアップ / 銘板

メジャーを持っていった。計ってみる。多少というか
それなりに誤差はあると思うが、
幅は244cm、最大高さは288cmだった。

これだけなら、まぁ小さいが普通のトンネル。そんなに恐くもない。

トンネルに入ったらそこには恐ろしい光景が待っていた・・・。

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トンネルの中を見ると

最初5mぐらいは鉄板で巻立ててある。そのあと20mぐらい高さ、
幅員ともに1.5倍ぐらいに大きくなっているのだが、問題は正面に見える光景。





穴が半分になっているではないか!!




これを見たときはさすがに驚いてしまった。
ちょっと強烈すぎた。と同時にアドレナリン全開。


身体はへろへろと倒れ込みそうだった。

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意を決して突入 / しばらくはコンクリートで巻き立ててある。それにしても狭いよ!

何も言わないで良い。とにかく左の画像を見て欲しい。
ライトの影の所為で(黒い部分)より狭く見えてしまっているが、
それを考慮したとしても狭い!!

幅は224cm、最大高さは225cmだった。
(もちろん正確な値ではありません。誤差含みまくりです)


誤差があったとしても狭いことに間違いはない。
最大高さが2m20cmということは、壁付近ではさらに低くなっているはずである。

そうすると高さ2mを超える車は厳しいだろうか。いや2mの車は無理??

ちなみにたーせる号のサイズを参考値として。
高さ137cm、幅166cm、長さ412cm。


さすがに穴が半分になったときは通り抜けられるか心配になった。
手に汗がわき出る。ライトで照らされたトンネルを凝視する。

この先も幅はなんとかありそうだ!

もし万が一があっても車から出られる(ドアを開ける幅があった)ことは確認できたので、
進むことにした。対向車が来たらどうしよう。いやこの県道で対向車に会うときは
よっぽど運のない時である。それほど交通量はない。
だが他には糞詰まりになって前にも後ろにも進めなくなるかという心配がある・・・。


しかし、落書きが多い。場所柄おそらく心霊スポットみたいになっているのかもしれない。
そして夜な夜な若者や馬鹿者が集まり宴を開いているのだろう。

しばらく進むと、

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手掘りでほったまんま。そこをコンクリート吹きつけしたようだ。
段々と中央付近で高さが倍ぐらいになる。そしてまた低くなっていって、大山側坑口に出る

画像を見ればわかるが、横の壁が凸凹しまくりなのだ。

たーせる号であってもまっすぐ走るのは困難。
ミラーをぶつけないようにうねうねくねくね、蛇のように進む。


そして車の後ろが通り抜けているのか確認しようにもミラーが見えない。

ミラーをたたむといっても恐くてたたんでなど走れない。

そして無事大山側坑口を拝むことが出来た。

通り抜けられたと言うことだ!!

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池原一号隧道大山側坑口 / こちらも5mぐらいで穴が半分以下になる



コンクリートの立派な坑口。誰があんな極小のトンネルと思うことか。
この立派な坑口も5mも続かないうちに洞穴になってしまう。




洞穴から通り抜けてきたたーせる号の勇姿を見てもらいたい。



こちらの坑口の方が高さが高いことが分かる。中央付近が一番高い。


大山側坑口だけ見ると5m幅ぐらいの普通のトンネルを通そうとしたのだろうか。
先進導坑として掘った穴をそのままで使ったのだろうか。



穴を掘るだけ掘って巻き立てたり広げる前にお金が尽きたとか・・・。
このトンネルを見ているといろいろなことが思い浮かぶ。



両坑口、トンネル内部。どれをどう比べてみてもコンセプトが浮かび上がらない。



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今、まさに洞穴を抜ける

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ここまで露骨な幅員狭小は初めて体験

トンネル内で幅員が変わるといっても、もっとかわいらしい物かと思った。


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大山側坑口壁にはスイッチがあった。そして配線がたれている。

もしかして昔は電灯が点っていたのか!!

いや、待て。大山側坑口のところに配電線など来て無かったと思ったが。


【E地点】
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大山側坑口から先を見る / 軽い切り通しになっている

実は、沿道の草が全て刈り取られている。
そう、私が訪れる3,4日前に草を刈り取ったようなのだ。

草の切り口が新しい。青臭い草の匂いが辺り一面にただよう。

草を刈り取ってあるからこんなに流暢に走っていれるのかも知れない。

だいたい、草を刈り取ってこの狭さ。絶対的幅員が狭いのだ。

ここが草で繁茂しているときの状況など想像に難くない。


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路肩が補強してある / 傍らにはポール

富山県の文字が見えるだろうか?

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相変わらず2mぐらいの幅でアスファルトを盛っただけの道が続く / 崖下には真新しい道路 県道67号線か?

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うねうねくねくね まるであぜ道

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しばらく走ると立派な道路に突き当たる

【F地点】
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立派な道から大沢野方面を見る

左に折れるあぜ道が県道67号線。直進方面は新しめの立派な道が続く。

どうやら、県道67号線を突っ切る形で林道か何かが開通したらしい。うちの地図には載ってないし、走ってないのでどことどこを結んでいるかは分からない。

一つ確かなことは県道よりも立派な道だと言うことだ。

この道路に突き当たってしまってもトレースするのは容易。T字路を左折して10mも走るとすぐに左に折れるあぜ道がある。そこを進めばいいのだ。


決して立派な道には行かないこと。
険道探索の基本なのかも知れない。




■ここは【池原一号隧道(A地点からF地点)】

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2001/07/30 作成