国道42号線 尾鷲隧道

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尾鷲側坑口銘板
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区 間 三重県北牟婁郡海山町=三重県尾鷲市
更 新 2001/04/19
調査日 2000年08月前半
コメント

車による旧道の通り抜けは不可能である。
ただし道自体は閉鎖や崩落することなく通じている。
自転車や徒歩であれば通り抜けは容易である。

目 次

[ 1 Page ]尾鷲隧道
[ 2 Page ]隧道に至る旧道


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ここは新道と旧道はルートが異なっている。そのために旧道は破壊されずに残っている。尾鷲隧道の海山町側坑口は新道も旧道も同じ所だ。そのあとトンネルを抜けたときに谷のどちらに出るかが異なっている。


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(8)尾鷲隧道 新道と旧道坑口が並ぶ海山町側坑口
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ぽっかりと口を開けている。新道を通っていてもその判別は容易。
ある意味不気味なのである。

旧道は全区間残存。トンネル手前までも容易に近づくことが出来る。ただしその幅員は1車線であり、またダートである。途中に警笛鳴らせの標識がたくさん立つ。現道時代のものではないだろうが、この道が酷道であった匂いを残している。

ただし丑の谷橋と言うトンネルすぐの橋が落ちる寸前であり、そのために車両は通行できないと思われる。徒歩と自転車はOK。バイクも種類によってはOKと思われる。

関西電力の配電線やNTT回線は今も旧道と旧隧道を通る。その保守のためにはこの道路とそしてトンネルはまだまだ現役であるのだ。

ここはある残骸趣味のHPで知った。そこには通り抜けたときに「何かが追い抜いていった」という表記があり、実はそれが頭から離れず結構おっかなびっくりこの地に来たのだ。暑い暑い夏の昼下がりのことである。

かつての街道は忘れ去られている。矢ノ川越えなんかと同じような道だ。当然である。同じ1本の道なのだから。

さて、この道路であるが、画像は尾鷲隧道から尾鷲の町に降りていく方向で写真を撮っている。そのことを最初に頭に入れてみていって欲しい。順番が逆になるが、海山町側坑口をまず見ることにしよう。略図でいくと(8)地点である。


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(8)尾鷲隧道海山町側坑口/扁額
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トップの扁額は尾鷲市側のもの。これを見ると両坑口で違う扁額を付けている。
こちら側のはなにかかなり装飾されている文字だ。古代文字のような、、、。

徐行の標識が見えるが、これは旧道に対するもののようだ。
そういえば旧道には徐行標識もたくさんあった。

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トンネル入口

しばらく車の往来はないのだろう。薄く草が生えていた。そしてそのマンホールは
NTT回線のものであろうか。坑口がぽっかりと不気味に口を開けているが、
このトンネルがじつはITな回線の重要な通過点になっているかもしれないのだ。


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(8)尾鷲トンネル海山町側坑口/トンネル銘板
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新道のトンネルも1965年製。つまり35年も前のもの。
35年前はあの小さなトンネルが唯一の街道だったわけだ。

それは良いのだが、新道のトンネルも坑口一面が苔に覆われていて結構不気味。



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(7)尾鷲トンネル(新道) 尾鷲市側坑口 / 新道は立派な2車線路
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新道も2車線路なのだが、今となっては結構見劣りする。

しかもこの路線は沿道に高速がないために大型トラックの往来が非常に多い。




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(6)尾鷲隧道尾鷲市側坑口/近づいて写す
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トンネル出口でちょうどカーブしている、あまり好ましくない線形。
見通しも悪く、また幅員も狭くてこの道の道路容量は著しく小さいと思われる。

全線に渡って昭和40年代に改築されているが緊急的な事業であったと推測される。

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尾鷲市側坑口の扁額 / ガイシのあと
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かつては電気が通っていたのであろう。古いトンネルでなおさら町と町を結ぶ街道だと
このようなガイシを良く目にする。6600V三相交流で家庭用配電が行われていなかった時代の名残である。



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電灯用配電線にNTT回線が地下に潜る / 夏草に埋もれながらも町境標識がその存在を主張していた
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町境標識はずっと昔からここに立っているのだろう。でももう誰も注目しない。
ここにやってくるのは電力線の保守できた人か、マニアぐらいなものだから、、、。

配電線を写してみたのだが、なんか右側が異様に青いよね・・・。光が映り込んだせいか
オレの撮り方が悪かったためと思っています。はい。あまり深く考えずに、、、。

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この配電線が敷設されたのは最近のようだ。というのも電柱の銘板が2. 11となっていたのだ。
たぶん平成2年11月に立てたよ、ってことだと思うのだが、、、。ただ昔から配電線が通っていて、
老朽化によって立て替えたりしていたら別であるが、、、。

この道路のように古い街道の場合、重要電話線が沿道に敷設されるがだいたい旧道にある。
やはり現道時代に敷設したり、あるいは工事するにも旧道の方がやり易いためであろう。

電電公社の看板ではないが、NTTになって敷設したのかあるいは、看板を変えたのか不明だ、、、。

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(6)坑口から振り返る(尾鷲方面を見る)

元々狭い道である。1車線程度の。それでも夏草に覆われてかろうじて人が通れる幅しか残っていない。

ガードレールも草に覆われて何がなんだか分からない。



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(5)丑の谷橋(隧道方面を見る)/銘板
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丑の谷橋が落ちる寸前とのことであるが、尾鷲市側から上っていくと、橋の手前が見事に崩落しているのだ。

ガードレールは斜めになってしまっている。そこから覗くと土砂がえぐられている。車は近づくと危険だろう。ふもとにある看板はかなり古いものであり、ずっとこのままの状態になっていると推測される。

ただもしこの橋が落ちてしまうと重要電話回線が切断されることになる。と、いうことはある程度の保守はされているのか?

あと竣功年月が彫ってあったのですが、写真の撮り方が下手で分かりませんでした。
昭和*年でした。




でも心配はいらない。なぜなら尾鷲側から上ってくると橋の手前に
頑丈なバリケードが威張っているのだから。
真ん中にポツリと通行止めという看板が立っている。

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(5)この先通行止めなのら
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通行止めです

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(5)ゲートの前で振り返る
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Copyright (C) 2000-2001 H.Yamashita
2001/04/19 作成