2001年5月 天下の酷道R157号温見越えオフ

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かなりいい加減な温見峠周辺略図

2時間30分近い長旅のあとついに我々は温見峠に到着した。

左カーブの先。不意に県境標識が立つ。

温見峠到着。

時刻、13時17分頃

温見峠という所は何もないところである。
期待していくと「あれ?」と言う感じだ。

一方的な上り坂が続き、視界が開けてくると
突然県境標識が目に入ると同時に切り通しの中に
一方的な下り坂が福井県側にも続いている。

それだけなのだ。

広い広場があるわけでも駐車場があるわけでもない。

本当に峠というような峠。

△の頭の部分。

上り坂が下り坂になるところ。
至ってわかりやすい。

道路の幅員も1.7車線分(5m?)というような微妙な幅員がずっと続いているだけ。

ただその幅員のおかげで登山者とかの車は縦列駐車してあるわけだ。

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峠より今来た道を振り返る〔画像は能郷方面を写す〕



峠は切り通しになっている。

進行左手は、能郷白山登山道の登山口、進行右手切り通し上には温見峠地蔵尊がある。

写っている車は登山者のもの。結構有名なのだろう。

そしてこの国道上には温見峠と示す物は何もない。

ただデカデカと福井県の県境標識と「通行規制に関する看板」が立っているのだ。

「温見峠」と示す物は「温見峠地蔵尊」の標柱ぐらいなものだろう。

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ここが温見峠 長い長い道のりだった。岐阜県側より福井県側を見る



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福井県方面へは、進行右手に「降雨規制」の標識と国道標識、
左手、県境標識の下には壊れて落ちている大型車通行不能看板。

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ここから先は福井県大野市

福井県側は標識は立派だが、道路は岐阜県にも増して酷道。

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もともと大型車通行不能看板はこの2本の柱についていたのだろう/県境を境に舗装が変わる

やっぱり雪のせいだろうか。取り付けていた棒もぐにゃぐにゃになる。
行政区分がいとも簡単にわかる峠。

岐阜県側のアスファルトに比べて福井県側は
コンクリートのようなそうでないような、貧弱な路面が続く。

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今度は福井県側より岐阜県側を見る

岐阜県側には何も標識が無い。いや県境標識がない。

進行右手には、福井県の県境標識にぐにゃぐにゃの国道標識。
そして進行左手にはやはり大型車通行不能標識。

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岐阜県側の標識
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福井県側の標識

ほぼ同じデザインだが、微妙に書体が
太丸ゴシックと細丸ゴシックというふうに異なっている。

やっぱり行政が違うためか。
それより不思議なのは両方向ともに
大型車通行不能なのに改めてここで
大型車通行不能と区切っていることである。

結局、温見峠区間は全線大型車通行不能なのではないかと思うのだが・・・

だってここに大型車が来るには岐阜県側かあるいは福井県側から登ってくるしかない。
それか、ヘリコプターで峠まで運んでくるか・・・。

まぁ見ている分には面白いから良いのだが、
いちいち細かくすることはないと思ってしまう・・・。

良く読むとテープで隠したりしているし、
岐阜県側は無条件に大型車で
福井県側は車長8.0mを越える大型車と
異なっているから、まぁヨシとしよう。

だが、もし福井県側から車長8m近くの大型車がひーこら言わせて、登ってきたとして

転回は間違いなく不可能。

バックも不可能。
進行も不可能。


いったいどうしろと言うのだ!!

まぁここまで大型車が来ることなど無いのだろうけど。
だが、無いとは言い切れないと思う。

現実に、最狂区間であそこまでしつこく大型車通行不能としているのは、
大型車が進入してしまいどうにもならなくなったことがあるからだと思う。

そうでなければあそこまでしつこくしないだろうし・・・。

地図を見れば根尾(岐阜)から大野(福井)へはショートカットしている道路だ。

そして重要なのは国道っていうこと。

何も知らない人は国道といえば間違いなくきれいで
立派な道が続いていると思うのでしょう。やっぱり、現に418(丸山ダム)でもトラックが
近道したいために進入しようとしたが、あまりの尋常無さに不安になって
地元の人に聞いたことがあったそうだ。


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岐阜県がわをさらに進むと、進行左手には落石注意の看板

この落石注意の看板。なかなかのGood デザイン賞である。

崖君と自動車君の2人が登場「人物」。

崖君が自動車君に向かって岩を吹き付けているのである。
そして自動車君がビックリしているのだ。

なぜかアップで画像を撮ってこなかった。ちょっと残念。

そこにある鉄パイプは通行止めに使っていたものであろう。
落石注意と言い時限通行止めの看板と言い、鉄パイプと言い、
この温見峠にあるものは握りつぶしたようにグシャグシャになっている。

雪の重みのためだろうか。

落石注意看板の左の尾根伝いに進むと温見峠地蔵尊がある。

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地蔵尊への道と登山道から温見峠を見る

しかし綺麗に舗装の色が違うなぁ・・・。

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これが地蔵尊への道(左の看板は落石注意の看板)/沿道には道標。

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交通守護 温見峠地蔵尊

刈払いが行われている。この峠を行き交う者を見守っているのだろう。

この地蔵尊から反対側を見ると、能郷白山の登山道がジグザグに登っている。
そしておおよそ真っ正面の位置に何かがある。

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能郷白山登山道の標柱(折れている)/登山道

この標柱は今冬(2001年冬)で折れたらしい。温見を極めた男(女)達が
2000年最後に温見を越えたときはきちんとしていたそうだ。

登山道といってもハイキングコースではない。険しい山道が続く。山男が来るような場所だ。

途中で登山道をおれて地蔵尊から見えた変なものを見る。

いってみると、赤白のポールと何かの土台、はたには標柱が立つ。

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温見峠雨量観測所

なるほど。降雨観測の施設らしい。が・・・、いったいどうやって観測するのだ。
やっぱりあの土台に何か設備を設けて観測するのだろうか。

あのままでは何も観測できないと思うし・・・。


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この雨量観測所から地蔵尊がよく見える


実はこのときすでに13時30分ごろである。つまりちょい遅いがお昼にはもってこいの時間だ。


誰言うことなく、シーラさんがシートを持ってきて草むらに広げる。
そしてみんなもおもむろに車から食事を出す。

「・・・あっ!!」

そう例えるなら、学校の体育で水泳道具は持ってきたのに水着を忘れたような、
音楽発表会の日なのに縦笛を忘れたような、

なんとも自分としては気まずい空気があたりを漂う。

朝たしかにコンビニによってきた。
前情報でも根尾村にはコンビニは無いと教わってきた。


そして昼飯のことはすっかり忘れてきた。


普段ならお菓子かパンの一つでも車にあるのに、今日に限って水しかない・・・。

気分を紛らわすためにあたりを散策する。


「あれひろさんお弁当は?」

「聞かないで下さい(笑)・・・」

おにぎりを一つ分けてくれたシーラさん、お菓子をくれたこっちゃんさん、ゆんさん

本当にありがとうございました!!ろくにお礼もしないですみません。

そしてありがたく頂戴し、みんなも食べ終えたころ、
そろそろ出発しようと片づけを始める。

そんなとき、

「せっかくだから記念写真撮りましょうよ!」

あおっちさんがカメラを片手に準備する。

あっ、そういえば私、三脚があったはず。車内を探す。
ミニミニ三脚だが、カメラを固定するには必要十分。


「どこで撮りましょうか?」

みんなで悩む。

やっぱり大野市の県境標識の下が良いでしょうということになる。

あおっちさんとhonさん(昔、鉄道写真をやっていた)でいろいろやっている。

そして無事、撮影。


「あのぉ・・・、私もデジカメで1枚良いですか・・・?」

デジカメでも1枚撮っておこうと言うことになる。

だが、悪戦苦闘。なかなか撮影できない。

タイマー撮影はオートモードの時しかできないのを失念していて、
マニュアル撮影モードで一生懸命、カメラと格闘していたのである。

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「ちょっと待って下さいねぇ!!」

「え〜っと、どうやって撮るんだっけかな・・・?」
「あれ、? これ? えいや? う〜んおかしいなぁ・・・。」
「確か、タイマー撮影できるはずなのに・・・」


「まだですかぁ〜?」
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「はやくしてくださ〜い♪」

「えっ〜い。やめた」

「車に行ってマニュアル見てこよう!!」

「あれれ! どこにマニュアルしまったかな・・・・」

「ははは(笑)」

「あ〜ん、めんどくさい。もう1台のカメラで撮ろう!!」
「セットし直すのも大変だなぁ」

「もうすぐですからねぇ!!」

「もうちょっと待ってて!!」

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(帰ってきてから、真ん中をもうちょっとずらして国道標識も入れた方が良かったことに気づく)

「そろそろ、くたびれてきちゃうよ〜ん♪」





「ヨシ、準備完了!!」

「は〜い、みなさんお待たせしました。それでは撮りますよ!!」







「・・・もう撮れた?」

「・・・たぶん...」

「・・・『たぶん』って(笑)♪?」

「・・・もう、大丈夫かな...」
「うん、たぶん大丈夫。」






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「あぁ、撮れてます、撮れてます。大丈夫っす!」

実はあたしは寝癖ボーボー。

たしかに普段から全く気にしていないが、ちょっと(かなり)ひどすぎたかも。
まぁ無理もない。温泉に入ったあとに窓からはいる自然風で乾かして、
そのあと、まったく手入れしていない。寝て起きても、
ぶらぶらしていたから、何する時間も無くなってしまい、
必死こいて樽見駅に向かったのだから・・・・。


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峠より福井県側の道路

福井県側も一方的な下り坂が続く。山深いが鬱そうとはしていない。
切り通し状に進んでいく。ただ道路の路肩が溝になっていてこちらのほうが運転しづらい。

また白線も消えている。幅員は1.6車線ぐらいで続いている。


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Copyright (C) 2001 H.Yamashita
2001/06/14 作成